超高圧科学部門

“極”高圧の発生と物質科学

GRCが持つ最先端の微細加工技術と物性測定装置を利用してダイヤモンドアンビルセルによる静的圧縮技術で地球中心圧力(365 万気圧)を超える数百万から一千万気圧の超高圧発生(“極”高圧)を目指しています。このような圧力発生技術は地球よりも大きな惑星、例えば木星や天王星のようなガス・氷惑星やスーパーアースのような系外惑星の内部構造の議論を可能にします。また地球惑星科学に限らず、超高圧下で見られる新奇物性の探索とその起源解明、さらにその知見に基づいて新物質・材料開発に繋げます。超高圧下では多くの物質は我々が生活する大気圧の状態とは異なる状態を示します。一例として高圧下の高濃度水素化による新奇磁気構造や、超伝導転移温度が室温に迫る物質が知られており、我々はその探索を進めています。一方、これらの超高圧条件では圧力スケールと物性の測定技術が十分に整備されていないため、主に放射光X線を使った測定技術開発も我々の重要なミッションです。


超高圧物質合成

GRCで開発された超高圧実験技術や独自の大型超高圧装置を活用し、超硬材料など新物質の合成と特性評価を行っています。とりわけ独自に開発したナノ多結晶ダイヤモンド(ヒメダイヤ)の高品質化・大型化を行い、超高圧発生、高圧下X線吸収、高圧下単結晶構造解析、高圧中性子回折など、新しい高圧実験技術への応用を試みています。また、ヒメダイヤ合成技術を応用することにより、様々な高圧相ナノ多結晶体の合成を行っています。この結果、例えば硬くて割れにくいナノ多結晶スティショバイトや、高い透光性を有するナノ多結晶ガーネットなど、次々と新たな物質を生み出しています。このグループでは、理学部・工学部の他分野の研究者との超高圧合成を利用した学際的共同研究や、海外のグループと連携した国際的共同研究を多数行うとともに、企業との共同研究にも積極的に取り組んでいます。


 

超高圧科学部門メンバー

入舩 徹男 イリフネ テツオ特別栄誉教授researchmap
石松 直樹 イシマツ ナオキ教授研究室HP / 要覧
境 毅 サカイ タケシ准教授要覧
大村 訓史 オオムラ サトシ准教授
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