数値系地球科学部門

 

鉱物物性理論

鉱物物性理論グループ(TMPG)では、密度汎関数理論に基づく第一原理量子力学計算法を駆使して、地球惑星物質の超高圧物性について理論的・計算物理学的立場から研究を行っています。またそのために必要となる方法論や手法を開発しています。複雑な数式を計算するため、スーパーコンピューターなどを用いて大規模数値シミュレーションを実行します。これにより現在では、高温高圧相転移と高圧結晶構造、状態方程式を含めた高温高圧熱力学特性、弾性定数テンソル、変形特性、熱輸送特性など、地球惑星物質の重要な物性について、実験と同程度か実験を上回る精度での予測が可能となっています。TMPGでは、ポスト・ペロヴスカイト転移、スピン転移をはじめとして、SiO2最高圧相や最高圧含水ケイ酸塩相(Phase H)の発見、下部マントル鉱物学モデルの構築、核マントル境界の熱特性の推定など、地球惑星深部の構造やなりたちの謎に迫る先駆的な数々の研究成果を発表しており、トムソン=ロイター社のNew Hot Paper、文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞、鉱物科学会賞など多くの賞を受賞しています。


 

 

 

マントル対流シミュレーション

「マントル対流」と呼ばれるマントル内部のダイナミックな運動は、地表面で我々が経験するさまざまな地学現象 (地震、火山、地殻変動、大陸移動、プレート運動など) を引き起こす原動力になっているばかりでなく、地球型惑星の内部での熱や物質の移動をも支配する重要な現象です。我々は数値流体力学を主な手段として、マントルダイナミクスの研究を行っています。これを通してマントル対流を理解し、さらには地球型惑星の内部の理解をより深めることが究極の目標です。
具体的には、マントル対流を記述する方程式を計算機の中で数値的に解くことにより、マントル内部の流れを調べています。実際のマントル対流では、惑星の内部という「まるい」3次元的な形状の影響や、そこでのマントル物質の性質 (流動特性、相状態など)の複雑な変化によって、単純な流体のものとは様相が大きく異なると予想されます。そこで、シミュレーションに用いるモデルを少しずつ「現実的」にすることで、地球をはじめとする様々な地球型惑星のマントル対流の描像を明らかにすることを目指しています。これと同時に、より高度なシミュレーション研究を可能にする手法の開発にも取り組んでいます。

 

数値系地球科学部門メンバー

土屋 卓久 ツチヤ タク
教授研究室HP / 要覧
亀山 真典 カメヤマ マサノリ教授研究室HP / 要覧
出倉 春彦 デクラ ハルヒコ講師要覧
TOP